【最終報告「新型コロナウイルスの感染拡大予防のための休校に関する石巻子どもアンケートについて」】

石巻市子どもセンターらいつでは、新型コロナウイルス感染拡大予防のため休校になったことで、石巻の子どもがどんなことを思っているのか、困っていたり、悩んでいたりすることはなにかを調べ、発信するためにアンケート調査を行いました。(調査期間:3/16~3/31、有効回答数:42件)
また他にも、「もしもしらいつ」と名付け、子どもからの相談やなにげないことを職員と電話で話す取り組みや、「おさんぽらいつ」と名付けて、近隣の公園やお店を回り、子どもたちや地域の様子を知る取り組みも行いました。
今回は、アンケート結果やこれらの取り組みから見えたことを報告します。

【新型コロナウイルスの感染拡大予防のための休校に関する石巻子どもアンケート集計結果】
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アンケートや上記の取り組みから見えてきたことは、以下の2点です。

①休校による自宅待機が続くことで、子どもたちの心身に影響が出ている。
②子ども自身が新型コロナウイルス感染拡大に向けて、できることをしたい、どんなことができるか考えたいと思っている。

①休校による自宅待機が続くことで、子どもたちの心身に影響が出ている。
Q2休校して、自宅ですごすことで、困っていることや悩んでいることはありますか?
に対して、1番多かった回答は「友だちと遊べない」でした。
「もっと外で遊びたいのに遊べない。」(小学校高学年/男)
「遊びたくても遊べない。することがない。」(学年不明/女)
「生活リズムが乱れしまう」、「体を動かすことができない」という回答も多くみられます。
⇒自宅待機が続くことで、遊びが制限されたものになってしまっていることが伺えます。また、長時間自宅で過ごすことで、体にも影響が出ている様子です。

「何も出来ず体調崩して基本寝てばかり」(高校生/女)
「中学校に進むにあたって、勉強についていけるか不安。」(小学校高学年/女)
「休みは嬉しいけど勉強面とか不安」(中学生/男)
「一人でいる時間が長い」(小学校高学年/女)
「ご飯栄養とかカルシウムとかないし」(小学校低学年/女)
「話を聞いてほしい」、「食事の支援をしてほしい」という回答もみられました。
勉強面や給食についてなど、学校で担保されていた当たり前のことがおびやかされている状況です。食の支援については、子どもの生きる権利を守るために支援が必要です。

一方、「うれしい」、「よかった」という回答の理由として「学校に行きたくなかった」、「学校が嫌だから」などの声もあり、
「学校はストレス製造機であって、そんなに楽しくないから嬉しいそして良かったと思う。だけれど授業がすすまないので学校でやれなかったところはテストにでたら答えられなくなるような気がして不安だし、塾と家で勉強するのにも限度がある気がする。」(中学生/女)
「元々学校に行きたくない人であった為、休校になって嬉しいと思っている。だけれど、会いたい人に会えないのでどうにも出来ないというのもある。」(高校生/女)
学校へ行きたくないなど、これまでの日常の中で子どもたちが抱えていた課題も今回の休校によって、明らかになりました。

②子ども自身が新型コロナウイルス感染拡大に向けて、できることをしたい、どんなことができるか考えたいと思っている。
Q1学校が休校になって、どんな気持ちですか?という質問に対し、「驚いた」という回答が1番多くありました。また「不安」「イライラする」「どうにもできない」といった回答もみられ、学校の休校が突然決まり、普段と異なる生活をする中で、多くの子どもたちがストレスや無力感を感じていることがわかりました。
そんな中、今回のアンケートでは、「コロナウイルス対策についておとなと一緒に考えたい」と回答し、
「新型コロナウイルスの少しでも予防が出来る方法を伝えたい」(高校生/男)
「趣味をやりたいし、コロナ対策について誰かと相談したい」(高校生/女)
具体的に自分もなにかしたいと考えている子どもたちもいることがわかりました。

「おさんぽらいつ」の際に出会った子どもたちの中にも、
「TVでコロナウイルスのことを見て、自主的に外出は控えているんだ」(中学生/女)
など、いま自分ができること、取り組んでいることを話してくれる子がいました。

東日本大震災後、「まちのために自分も何かしたい」と答えた子が多かったこと、その後の「子どもまちづくりクラブ」の活動かららいつの建設に至ったことからも、子どもたちが主体的に何かをしたい、できる存在であることが言えます。今回の新型コロナウイルスの感染拡大などをはじめ、緊急時における子ども「支援」は心のケアなど保護される対象として捉えていくものがほとんどですが、発達段階に合わせた情報提供を行い、子どもの声を聴き、子どもたち自身が主体となって行動できる環境をつくることは、緊急時において、また日常生活においても、重要な子ども「支援」となります。
子どもは自分の気持ちを聴いてもらい、どうしたらよいか一緒に考えることで、自分が意見を言ってもよい存在であり、何かできる存在だと気づきます。それによって、自分で考え、行動することができ、自己肯定感が高まるなど、ポジティブな変化が生まれます。子どもの不安や無力感を取り除き、心の安定にもつながります。また、それが当事者意識をもった行動につながり、より効果的な感染拡大予防にもつながると考えます。
新型コロナウイルス感染拡大が長期化するいまだからこそ、子どもに十分な情報提供を行い、子どもの声を聴きながら、どのようにしていけばよいか一緒に考えることが重要だと考えます。

石巻市子どもセンターらいつは、今後も子どもたちにとって最善の利益は何か、子どもの声を聴きながら、子どもたちとともに考えていきます。

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