出来た経緯
震災直後2011年5月から6月にかけて、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下「SCJ」という)は、宮城県、岩手県の子どもたち約1万人にアンケートを実施し、90%近い子どもたちが「まちのために何かしたい」と思っていることを明らかにしました。その声を受けてSCJが子どもたちに呼びかけ、岩手県山田町・陸前高田市・宮城県石巻市3つの地域で子どもまちづくりクラブが発足しました。石巻市では、2011年7月に石巻市子どもまちづくりクラブが発足。同年夏には、復興に向けたまちづくりをめざし、“夢のまちプラン”を作成し、そのプランを市に提案しました。“夢のまちプラン”の中の色々な想いを1つにし、実現化したのが「石巻市子どもセンター」(以下、子どもセンター)です。地域と連携しながら子どもたちが企画・デザインを行い、2013年12月に完成し、SCJから石巻市に寄贈されました。寄贈後は、石巻市の児童館として運営されています。
子どもまちづくりクラブが考えた子どもセンターのコンセプト
石巻の活性化のために中高生が中心となってつくり、運営していく施設
みんなが過ごしやすく、子どもの想いを世間の人たちに伝えられる場所
子どもセンター 条例前文
石巻市子どもセンターを設置するにあたり、必要となった石巻市子どもセンター条例の前文も石巻市子どもまちづくりクラブのメンバーが考え、つくりました。
子どもは一人の人間であり、子ども一人ひとりが生まれながらに権利を持っています。子どもが幸せに健やかに成長するためには、多くのことが必要であり、子どもたちは次のように語ります。
私たちを中心に、話し合ったり、ふれあったり、交流できる場が必要です。
それにより、大人も含めた幅広い年代の人とのつながりを大切に、絆を深めることができます。
みんなが楽しめて、ゆったりできる場が必要です。それにより、私たちは安心して心と体を休めることができ、笑顔が増えます。
私たちが運動できる場が必要です。それにより、体を動かして楽しく遊ぶことができ、心身ともに、健康に成長することができます。
私たちが学べる場が必要です。それにより、お互いに教え合い、考えることを好きになり、理解することの楽しさを知ることができます。
私たちが自由に社会に意見を発信できる場が必要です。それにより、自主的に活動できるようになります。
さらに、まちの未来について考えることが地域の活性化につながり、さらに多くの人に私たちのまちのことを知ってもらうことができます。
だから、私たち子どもが中心となって活動する子どものための施設をつくっていきたいです。石巻市は、この子どもたちの想いを形にするための施設となる石巻市子どもセンターを設置することにより、生まれながらに持っている子どもの権利が尊重され、子ども一人ひとりが幸せで健やかに成長できる社会につながることを期待し、ここに「石巻市子どもセンター条例」を制定します。